2014年03月17日

InDesign CS6からKindleのmobiで便利な段落設定とは

 InDesignCS6でレイアウトしてepub3を書き出し、Kindle Previewerでmobiファイルを作成した時、InDesignの段落スタイルでそのまま使えるものはどのようなものがあるだろうか。一般的によく使用する段落設定の動作を調べてみた。基本的にはほぼ反映するので、使えない設定だけ押さえておけばよい。

  mobiでは本文フォントを指定する場合、スタイルシートを書き出して「body」のスタイルシートを適用することになっている。したがって、本文の段落スタイル名は「body」にする。「body」を指定しなくてもそれでエラーが表示されるわけではないが、「body」が推奨されている。本文フォントはスタイルシートの設定ではなく、デバイスやアプリの設定を優先するためである。

 以前のInDesignでは段落スタイル名に日本語を使うとエラーの原因になったが、CS6では日本語を使うことができる。InDesign側で「x-」という接頭子を付けてスタイルの文字列を自動的に変換する。とはいってもわかりにくいので、InDesignでの段落スタイル名は欧文のアスキー文字に作成しておく方が間違いない。「body」以外の段落スタイルは見出し用の「h1」「h2」「h3」あたりと必要なものを作成すればいい。

 文字スタイルはスタイルシート化されない。文字スタイルも文字スタイルを使わないオーバーライド(上書き設定)も、スタイルシートとして書き出される。たとえば縦中横を指定するとxhtmlでは

全<span class="char-style-override-3">26</span>話

というタグが挿入される。「char-style-override-3」が自動的に生成されたスタイルシートで、最後にある数字の番号でスタイルシートが書き出されていく。スタイルシート内の「char-style-override-3」は

span.char-style-override-3 {
    -epub-text-combine:horizontal;
}


と記述されていて、「char-style-override-3」は縦中横の指定となっている。他にも縦中横の設定を指定すると、「char-style-override-3」のスタイルシートが割り当てられる。これらは「body」タグ内で指定されるが、KindleでもiBooksでもそのままオーバーライドで表示される。

140317-01.gif
*iPhone5のKindleで開いたもの。「全26話」内の縦中横。上付きや下付きも反映している。

 こうしてInDesignで指定したままepubに反映するものに

縦中横
横組の下線(縦組はスタイルシート修正の要あり)
圏点
文字カラー
ルビ
上付き文字、下付き文字


などがある。まだ打ち消し線と斜体は調べていない。縦中横は文字の変倍は書きだれないが、圏点はInDesignのあのものはカスタムも含めて書き出し可能だ。ぶら下がりとか冒頭の括弧とかの複雑な文字組版はepub3では対応していないので、その辺りはレイアウト上で対応するしかいない。台詞の多い小説とかでは、インデントをなしにして括弧ではじまらない段落は段落スタイルを別にするか、空白スペースを挿入するしかなさそうだ。なお割注もepub3は未対応なので、使えない。

140317-02.gif
*InDesignの圏点をすべて指定し、epub3で書き出したもの。カスタムの文字もそのまま反映する。

 ルビはepub自体が複雑なルビの指定は不可能なので、InDesignではKindleやiBooksで表示されるルビの合わせて設定する。グループルビ、JISルールを使い、文字掛け処理はなしにする。そうすると、見た目がKindleやiBooksで見たときの同じようにルビが組まれる。

 ハイパーリンクはWebリンクはそのまま反映する。脚注などを使う場合は、テキストアンカーを打ち込み、そこにリンクする。Kindleではそのまま反映したが、iBooksではリンク先にタグのid属性をpタグに内に移動する必要があった。

 InDesignで作成し、できめだけ手を入れずにepubを作成したいので、epubファイルの修正は最小限にしたいがどうしてもepub上で修正が必要なものがある。たとえば、InDesignの段落スタイルで指定した1行目インデントはピクセル換算されて書き出されるので、修正が必要となる。「font-size:1em;」になっていれば、「text-indent:1em;」にするだけである。左/上インデントを使う場合は、別途スタイルシートの追加が必要となる。

 外字は画像で挿入するが簡単でハードルが低い。Kindleでは最低でも128×128ピクセルの画像を求めているのでそれ以上で作成する。Illustratorで作成してpngやjpegで書き出せばよい。作成してみた感じでは、多少太るようである。外字画像はインライン画像にしてテキストサイズに合致するように縮小する。あとは、外字用のスタイルシートを追加する。画像タグに内にそのスタイルシートを指定すればよい。ただし横組では位置がずれてしまった。その場合は、スタイルシートで位置を調整するしかなさそうだ。iBooksではもう少しややこしい。

 あと画像に対してテキストを回り込ませる場合も、スタイルシートの編集が必要だ。あらかじめ決まったスタイルシートをペーストして画像内に指定するだけなので、それほど難しくはない。Kindleでスタイルシートの編集が必要なのは、縦組の下線、外字、テキストの回り込み、左/上インデントあたりだろうか。日本語では使わないドロップキャップスとかは調べていないのでわからない。

140317-03.gif
*画像の下に回り込みしたテキスト。画像を上に配置する場合と下に配置する場合ではスタイルシートは別になる。

 あとは多少content.opfの書き換えや追加があるが、それを除けば、InDesignでepub3で書き出し、Sigilで表紙を取り込み、改ページ指定をすればいい。それでKindle Previewerで変換したmobiファイルをアップロードすればいい。なお、Kindle Previewerで変換する時、タイトルが不可欠でないとエラーなる。さらにSigilでメタデータエディタを開くと、言語が「ja」から「en」に変更される。メタデータエディタを開くときは言語の再設定が必要だ。Kindleの表示に合わせてInDesign CS6でレイアウトすれば、概ねの仕上がりを確認しつつKindleブックを作成できる。やはりepub3の作成はInDesign CS6でするのが最短距離で、スキルもほとんど不要なのである。


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posted by jink0222 at 11:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | InDesign CS6からepub | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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